5Gの現在の展望
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20150427_699944.htmlk-tai.impress.co.jp
ミリ波
- ワイドな周波数帯を割り当てるには、ミリ波のような高い周波数帯を使わざるをえない
- 高い周波数は浸透率が悪く、基地局から子機に対して見通し(LOS)が無いと使えない
- 対策として、無線LANアクセスポイントのように基地局をスポット的に配置して、子機との間に障害物が無いようにする
- スポット的に配置した基地局のバックボーンを光にするのは現実的でないため、無線が使われる余地が大きいが、高いスループットを維持しつつ配置を考える必要があり、ここにも課題がある
- 人が相当集まる場所に特化した環境作りが行われるであろう
- スポット的なマイクロセルではスループットを上げるために高周波数帯を用いてユーザープレーンを担い、従来のマクロセルでは回折率が大きい低周波数帯を用いてコントロールプレーン を担う、ファントムセルというコンセプトが提唱されている*1
MIMO
- アンテナを増やすことによって、空間分割多重化により、アンテナ数に比例したスループットの線形増加が見込める
- しかし、スマートフォンのような子機に4つも、あるいは8つも、アンテナを搭載するのは現実的なのだろうか
- もちろん、MU-MIMO(マルチユーザMIMO)によって、基地局側からみたスループットの増加は可能である
- ピーク速度を出すには、通常のスマートフォンのような子機ではなく、アンテナがたくさんある高価で、消費電力が高く、サイズの大きな子機を使う必要があるだろう
- 周波数帯が高くなるにつれて波長は短くなるので、それに伴ってアンテナ素子を小さくすることができるため、Massive MIMOとして100個以上のアンテナ素子を現実的に製品化できるサイズで実現できるだろうと予想されている*2
- 4Gに比べて大多数の端末を同時収容する要件を満たすために、ビームフォーミングによって、どの程度指向性を落とせるのだろうか
コアネットワーク
- LTEにおいてEPC(Evolved Packet Core)と呼ばれるコアネットワークには、μGWというノードを設置し、P-GW以降のキャリア網に転送を行わず、低遅延の通信を実現するようである
- また、クラウド化によって、コアネットワーク上のエンティティ同士がいつも近くに位置する、という構造を実現することができるかもしれない
- ただし、コアネットワークのエンティティの仮想化による単一物理サーバへの収容はすでに行われており、クラウド化によってこれ以上遅延を大幅に抑えることができるどうかは分からない
- 大幅に遅延を減らすには、コアネットワークに閉じた通信が可能な場合に限られるか、あるいはコンテンツのネットワークキャッシュなどが出てくるかもしれない
- もし、これがコンテンツキャッシュも表しているとすると、モバイル網と有線網で同じ宛先にリクエストして同じコンテンツが取り出せない、という問題を克服する必要がある
ピーク速度を達成するには
- 新しい無線のフレーム構造も検討されており、特に無線区間の遅延については、大きく貢献する要因になるだろう
- また、DoCoMoはNOMAという電力を新たな次元として取り入れる方式を提案している*3が、どのくらいスケールするのか、端末の処理能力がどの程度必要になるのか、が分からない
- 10Gbpsというピーク速度を達成するためには、これら全ての条件が整った限られた場合のみになるだろう
- とはいえ、2020年の東京オリンピックのときには、間違いなく5Gのテクノロジーの効果が披露できる段階にはなっているだろうから楽しみである
https://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/corporate/technology/whitepaper_5g/DOCOMO_5G_White_PaperJP_20141006.pdf